漢方とは

Chinese medicine

漢方の基本知識

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漢方は、中医学を参考に日本が独自に進めてきた医学

漢方医学は中国の『中医学』を参考にしていますが、日本が独自に進めてきたものです。

西洋医学は病名を特定してそれを抑え込むことや排除することを『治療』としていますが、漢方医学は症状の原因にアプローチして、根本からの体調を向上させることで状態を改善していきます。
そのため、身体にかける負担は少なく、健康な体作りに役立つ方法として大きな意味を持っています。

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一人ひとりの地域性・季節性・個人差を重視し、体に合った薬

西洋医学では、病態を考えた治療で個人差を考えた治療ではありません。
漢方医学では地域性・季節性・個人差を重視し、これに適する治療を行っていきます。
地域性とは、『島国である日本は湿度が高い』ということや、『マンションに住んでいる』『戸建てに住んでいる』といった居住の設備の差をいいます。
季節性とは、日本の四季による変化をいいます。
個人差とは、人はぞれぞれ父母から受け継いでいる先天の素因のちがいや、育ってきた環境や栄養をどのように摂ってきたかなどをいいます。
生後から現在に至るまでの環境には差があり1人ひとり異なりますので、同じ体質を持つ人間は2人とは存在しないのです。
例えば、女性を例にとると、妊娠・出産時の体質の変化はもちろん、同じ人でも毎月の排卵・月経の度に微妙に体質が変化します。
そういった些細な差をきちんと捉えながら治療をするのが漢方医学です。

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漢方薬はどんな味?

漢方薬には五行説があり、薬味にはそれぞれ意味があります。
酸・苦・甘・辛・鹹、生薬にはこれらの味があり、漢方薬はそれぞれの生薬を組み合わせて作られています。
そして味は、服用される方の体調によっても変化します。

漢方・五行説について

ココロとカラダのバランスが崩れ、なんとなく体調がすぐれない状態のことを漢方では『未病』といいます。漢方は東洋の数千年の知恵の結晶であり、現代人の未病にとても適しています。すべてが自然界のものでできており、からだに優しく、病気をみるのではなく人をみるオーダーメイド仕様です。ココロとカラダをトータルに把握しながら、その人の状態にあった薬を選んでいきます。さらに美しくきれいに、エイジングケアにも対応できます。

自然哲学で漢方に応用されている思想・論理に『陰陽五行説』があります。『陰陽論』は、自然界のあらゆるものを、『陰』と『陽』に分ける考え方です。『五行説』は、自然界のさまざまな変化や関係性を、『木・火・土・金・水』として5つのエレメントに分類していく考え方です。『五行』をカラダに応用したのが『五臓』の考え方です。五臓は『肝・心・脾・肺・腎』という5つの機能系に分けられます。その五臓のそれぞれが『木=肝、火=心、土=脾、金=肺、水=腎』という対応関係の上に成り立ってます。5つの臓は、五行説の『木・火・土・金・水』の特性を備え、お互いのバランスを保っています。

未病とは?

『未病』とは病気ではないが、健康でもない状態のことを指します。
病院に行って検査をして特に異常がないが、体の変調(不定愁訴)があることをいいます。ただ、自覚症状は個人差があり体調の悪さは各々違います。その症状を少しでも緩やかにして自分の自然治癒力で整えていけるようにしてくれるのが東洋医学の考えだ思います。
未病は、病院の診療では『何も問題はありません、様子をみましょう、年のせいです』と対処されることが多いです。 だいたい、自律神経失調症と名付けられ、処方される薬も決まっています。
漢方薬はその人その人の弱い部分を探し出し、漢方薬の種類も量も違います。西洋医学の体の一部分を治療する考え方ではなく、体全体をみていくのが東洋医学の魅力と言えるでしょう。

漢方薬と西洋薬の違い

  • 漢方薬

    生薬は乾燥させたり、加熱や切断することなどで保存性や扱いやすさがアップします。漢方薬はこのような生薬を組み合わせて処方することで、体調不良や病気に対抗する物です。

  • 西洋薬

    人類は歴史の中で常に病気と闘い、自然の中から病気に対抗する物を生薬として取り入れてきました。西洋薬は生薬の成分を取り出したり、科学的な加工をすることで成り立っています。

漢方薬はここがすごい!

漢方薬は中国での数千年の知識の蓄積の上に、日本での5~6世紀頃からの知見が上乗せされています。そのため、長い歴史の中で日本人の体質や日本の風土に合うように、研究の成果や経験値が盛り込まれたものなのです。

一人ひとりに適した
漢方薬の決め方

漢方薬の処方には『証』と『気・血・水』が重要

漢方薬の処方には『証』と『気・血・水』を見極めることが大きな要素となり、この2つをもとにお客様一人ひとりに合った漢方薬を決めていきます。

  • 『証』というのは、その人の症状や体質、体力などを表すもので、病気に対する抵抗力なども踏まえて考えたものです。
    漢方薬は、この『証』に沿ってそれぞれの人に合ったものを処方していきます。そのため、例えば同じ症状の親子や兄弟から同時に相談を受けた場合でも、抵抗力や体質に違いがありますから処方する漢方薬は異なる場合があります。
    そのような理由があるので、ある人に出した漢方薬を、症状が同じだからと別の人に与えるのは良いとは言えません。ぜひ個別にご相談ください。

  • 気・血・水

    『気・血・水』という言葉は聞いたことがある方も多いと思います。
    漢方の考え方では、体内に『気・血・水』の要素がしっかりと循環することで健康を維持できると考えていて、それぞれの要素が不足したり滞ったりすると体調を崩しやすくなるとしています。
    そのため、当店でもカウンセリングで『気・血・水』の状態を確認し、身体の中の問題点を見極めてから漢方薬の処方を行っています。

『証』を明確にするための『四診』

『四診』とは、それぞれの方の症状や体調、状態を知るための『証』を明確にする工程です。『四診』には、『望診』『聞診』『問診』『切診』という4つの方法があります。
『四診』は道具を使用せずに、話をしっかり聞くこと、患者様の状態をよく見ること、身体に触れて状態を知ることなどから成り立っています。東洋医学では病気の前段階である『未病』という状態がありますが、『四診』は『未病』に対しても対応できる優れた診断方法です。

望診
望診では、顔色や肌ツヤ、表情に加えて姿勢や体形などを見て、患者さんの状態を把握します。舌の状態を見る舌診も望診の一部です。
聞診
聞診では、呼吸に関連する音や咳が出る際の音、痰の絡み方などを聞いて状態を確認します。声の大きさや高さを診たり、口臭などを確認する場合もあります。
問診
体調不良の経緯や自覚症状、食生活・睡眠・仕事を含む生活習慣や主訴(治す対象)・身体状況・既往歴などを丁寧に聞き取ります。
切診
脈を取る『脈診』や、腹部の状態を見る『腹診』など、身体に触れることで状態を診ていきます。

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