体の痛み
Body pain
腰痛と漢方
腰痛とは
現代社会では、腰痛に悩まされる人が増加中です。背景には、人間の直立二足歩行という身体的特性と、ライフスタイルの変化が密接に関わっています。四足歩行の動物とは異なり、人間は上半身の重みを腰で直接支えるため、腰に大きな負担がかかります。加えて、運動不足による筋力低下や不適切な姿勢などが、腰痛のリスクを高めているのです。
腰痛は様々な要因によって引き起こされますが、大きく分けると、骨や関節、筋肉の問題に起因するものと、内臓疾患に由来するものの二つに分類されます。漢方医学では、腰痛の原因を経絡の流れの滞りに求めます。経絡とは、体内を巡る栄養物質の通り道のことです。経絡の流れが乱れると、筋肉や関節、骨などへの栄養供給が滞り、腰痛が引き起こされるのです。
腰痛の症状と漢方におけるタイプ
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こんな症状ありませんか?
- 下半身の脱力感があり、腰から下に力が入らない
- シクシクとした痛みが慢性的に続く
- 足腰が冷える。頻尿や排尿困難がある
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漢方では腎陽虚タイプ
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こんな症状ありませんか?
- 腰が重だるい。雨の日など、湿気が多いと症状が悪くなる
- 患部に鈍痛がある
- 皮膚につやがない、筋肉がひきつる
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漢方では血虚・風湿タイプ
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こんな症状ありませんか?
- きりきりと刺すように痛い
- 下腹部が張ったり、圧痛がある
- 重いもの持った拍子に起こる腰痛
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漢方では瘀血タイプ
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こんな症状ありませんか?
- 腰や膝が冷えて痛む
- 足腰がだるく、力が入らない
- 関節を屈伸しにくい
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漢方では肝腎不足・
風寒湿痺タイプ
関節痛・神経痛と漢方
関節痛・神経痛とは
関節痛や神経痛は、中高年の方に多く見られる慢性的な痛みです。漢方医学では、これらの痛みを「痺証(ひしょう)」と呼び、「気」や「血」の流れが滞った状態を指します。「気」と「血」は、生命活動を支えるエネルギーや栄養物質であり、その循環が妨げられることで、痛みが生じると考えられています。
関節痛と神経痛の代表的な原因が、「湿気」と「冷え」です。特に湿気で悩まされている患者さんは大勢いらっしゃいます。雨の日や天候不順で痛みが増したり、鈍痛が長引いたり、膝や足首に水がたまったりといった症状がある方は、湿気が原因かもしれません。
関節痛・神経痛の症状と漢方におけるタイプ
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こんな症状ありませんか?
- 寒さや冷房で痛みが強くなる
- 手や足が冷えやすい
- 温めるとラクになる
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漢方では寒湿タイプ
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こんな症状ありませんか?
- 寒冷の影響で痛みが増す
- 生ものや冷たいもののとり過ぎで胃腸が弱い
- 冷え症である
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漢方では寒湿困脾タイプ
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こんな症状ありませんか?
- 1年中寒暖にかかわらず痛む
- 雨の日や天気が悪くなると痛みが増す、ひざに水がたまりやすく、痛む
- 夜になると痛みが強くなる、皮膚がカサカサで顔色が悪い
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漢方では血虚風湿タイプ
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こんな症状ありませんか?
- 重だるい痛みが滞っている
- じめじめした日、寒い日に痛みが増す
- むくみや浮腫、しびれなどがある
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漢方では風寒湿タイプ
当店ではお客様の一人ひとりの症状を診断し、それぞれに適した漢方薬を処方します
上記のような各タイプは自己診断によって、判断されたものです。もちろんお客様ご自身で感じられている症状を聞き取りすることも大切ですが、実際に漢方を処方するときは薬剤師が直接、体に触れたり、舌の状態を見たりして総合的にお客様の体の状態を診断いたします。さらに地域性や季節性も鑑み、一人ひとりに合った漢方薬を処方いたします。
体の不調を適切に迅速に改善するためにも薬剤師に一度ご相談ください。